もずや民芸館

もずや民芸館所蔵の作品をご紹介いたします。 kancho@mozuya.co.jp

入荷作品のご紹介815500-503

新しく入荷した作品をご紹介します。

永吉順子作 琉球びんがた帯です。

いずれも9寸の名古屋帯になります。

 

現在は髙島屋各店で巡回している『和宇慶むつみ・永吉順子 女流二人展』に出ていて、その追加として作った作品です。

 

815500,815501

f:id:mozuya20:20171013140744j:plain

f:id:mozuya20:20171013140753j:plain

2点とも、『絹しな布』という生地に染めてもらいました。

長野県の丸茂さんに別注した生地です。

しな布ではなくて、絹でしな布風に織り上げたしゃり感の非常に強い生地です。

この生地に染めますと、顔料の食い込みも良く、透明感が出るので好んで使っていたのですが、この2本で生地を使い切りました。

 

丸茂さんももう作ってないみたいなので、これで最後の作品になります。

 

染の方は藍型風ですが、紺色の顔料の濃淡で彩色してもらいました。

上は椿、下はポインセチアをモチーフにした文様です。

 

生地にハリがあるので、お太鼓もきれいに決まって、人気のある作品です。

 

透けるので夏物か?と想われがちですが、しな布自体が夏物ではないので、基本的には冬物、袷用ということですが、夏に締めたいな!と想われたら締められてもまったく問題ないでしょう。

 

 

815502

f:id:mozuya20:20171013140951j:plain

 

真綿の柔らかい紬地に淡彩に染めてもらいました。

力強い彩色が永吉さんの持ち味なのですが、これはちょっと優しい感じで。

その柔らかさを演出するために真綿の帯地を使っています。

ほぼ、狙い通りにあがった作品となりました。

 

815503

f:id:mozuya20:20171013140852j:plain

生地は玉糸を交えて織った、比較的プレーンな紬地の帯です。

同系の濃い色で影のようになっている部分は『おぼろ型』をおいています。

 

よく見るとたいへんシンプルな図案なのですが、このおぼろ型が単調さを消していますね。スカッとした良い作品だと想います。

 

この静けさに少しポイントをくわえるために玉糸の入った生地を使っています。

ところどころ、地色の溜まりができて、変化が出ています。これも良い味になっています。

 

永吉さんへの注文はちょっと久しぶりだったんですが、かなり腕を上げていましたね。

色がとてもキレイになっています。

 

もうそこそこのご年齢ですが、まだまだ伸びると想いますね。